臨床経験を活かせる!ツアーナースのバイト

風邪は呼吸器の疾患を誘発・悪化させるので、薬剤準備、予防接種などが重要となります

渡航前の予防接種も大切です

COPD、気管支喘息、間質性肺炎、肺気腫、慢性気管支炎などの慢性の呼吸器疾患がある人が旅行する場合、喘息発作を誘発したり、COPD、慢性気管支炎を急激に悪化させる風邪に十分な注意をする必要があります。

ホテルは、空調が効き過ぎていることが多く、室内は非常に乾燥しているため、ウイルスに感染しやい環境にあります。ホテルに着いたら、空調を調整し、室内が乾燥しない環境を保つようにしましょう。

また、現地では日本にいる時以上にうがいや手洗いをしっかり行いましょう。そのほか、旅先の気候に合わせた服装をこころがけることも大切です。海外旅行は時差の影響もあるので、到着直後はホテルで休養し、旅行日程も無理のない計画を立てるようにしましょう。疲労をためないことは、風邪の予防になります。

旅行前に予防接種、インフルエンザワクチンの接種を済ませておくことをお勧めします。インフルエンザは、北半球では12月〜3月、南半球では6月〜9月に流行します。

海外旅行の出発前には主治医に相談し、現在の健康状態で希望する旅行をできるかを確認し、持病や処方薬、アレルギーの有無などを英文で記載した英文診断書を作成してもらいます。

定期的に服用する必要がある薬は、飲み忘れは勿論、時差で服用時間が混乱してしまうのを防ぐため、朝食後に服用する薬剤は24時間ごと、朝晩に服用する薬剤は12時間ごとと、時間で区切って服用するとよいでしょう。服用中の薬剤や発作止めは携帯して、飛行機内に持ち込むことを忘れないようにします。

ホテルでのこまめな手洗いは風邪だけでなく食中毒の予防にも効果的

手洗いは感染対策の基本

健康な若い人でも、気温や気候、寝泊りする場所など生活環境がガラッと変わる海外旅行では、風邪を引いてしまうことは少なくありません。風邪にかかりやすいのは体の抵抗力が低下したときですが、旅先では自覚している以上に疲れがたまっているものです。

旅先での風邪を予防するうえで最も大切なのは、「手洗い」と「うがい」をこまめに行うことです。香港やシンガポール、ベトナムをはじめ、世界中でSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染が懸念される事態になり、大きなマスクをして外出する人が増えましたが、強い感染力を持つSARSにも対してさえもマスクより手洗いとうがいの方が効果な予防法になるのです。

ただし、旅先では自宅にいるときのように、いつでも手を洗ったり、うがいをするできませんので、ホテルでの起床時、外出から戻った時などに意識的に行うように心掛けましょう。手洗いは石鹸を使うと、雑菌を洗い流すことができますので、旅先の健康トラブルとして最も多い下痢の予防にもなります。

うがいは、ペットボトルの水を買うか、一度沸騰させた水道水の水で行います。日本では飲み水にペットボトルのものを使っても、うがいは水道水をそのまま使うという人が多いと思いますが、海外旅行ではうがいの際の水にも気をつける必要があります。

どんなに予防を心掛けていても、風邪をひいてしまうこともあります。咳、鼻水、喉の痛み、微熱などの初期症状が出たら、早めに風邪薬を飲むようにしましょう。4〜5回服用しても回復しない、あるいは悪化するようだと重症の風邪あるいは風邪とは別の病気かもしれません。大きなホテルにいるホテルドクターの診察を受けるか、現地の病院を受診しましょう。

喘息の発作を予防するためには、宿泊先のアレルゲンの回避などが重要となります

薬の持参を忘れずに

環境の変化、精神的なストレスの影響を受けやすい疾患の一つである喘息の患者さんが旅行をする場合、旅行先で発作が出たときに速やかな治療を受けることができるかわからないため、自己管理の重要性が増します。

日常的に使用している薬、発作が出た場合に使用している薬があれば、十分な量を持って旅行に出かける必要があります。海外の薬は同じ一錠でも日本に比べて成分の含有量が多いこともあるので、海外旅行へ行く際には普段使っている薬を日本から持っていくのがベストです。万一の場合に備えて、主治医に使用している薬の内容や病名を英語で書いてもらうと安心でしょう。

発作が起きることが予想される場合は、持ち運びに便利で簡易な呼吸機能のチェックができるピークフローメーターを持っていきましょう。そうすれば、その数値を参考に先手の処置を行うことができるため、発作の予防につなげることができます。

また、アレルゲン、大気汚染、喫煙、食品・食品添加物、二酸化硫黄、アルコールなどの喘息を悪化させる要因に対する注意も求められます。

旅行を計画する際には、日程、宿泊先の選定、携行品などについてあらかじめ主治医に相談しておきましょう。自分がどんな環境下で発作が起こしやすいのかを、予め把握しておけば急性増悪を回避できる可能性が高くなります。宿泊先の布団やカーテン等の汚れやダニ、カビは発作の原因となるので、衛生環境の良い清潔な施設を選ぶようにしましょう。

場合によってはダニが通過できない高密度繊維の布団カバーやシーツを持参すれば効果的です。ペンション型の宿泊施設にはペットを飼っているところがあるので、猫やイヌなどの動物アレルギーがある患者さんは、宿泊先にアレルゲンとなる動物の飼育の有無を確認しておきましょう。また、宿泊先の周辺に救急医療期間があるかどうかを調べておくことも重要です。寒冷地への旅行では、暖かい室内から寒冷の戸外へ出ると発作がおきやすいので、マスクを着用するようにしましょう。

 
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