3年以上の臨床経験が望ましく、コミュニケーション能力は必須となります
旅行等の付き添いで求められる旅行者の健康管理や発病、怪我をした際の緊急措置などに適切に対処できるスキルが必要なツアーナースですが、看護師の方なら特別な資格の取得などは求められることはありません。
ただし、応募事項に「看護師として3年以上の臨床経験があることが望ましい」としている案件が多いので、看護の経験が浅い方はまず、病院やクリニック等のお仕事である程度のスキルを身に付けてから応募するとよいでしょう。
3年以上の臨床経験という案件が多い背景には、旅行先では何かあっても医師の指示も仰げないうえに、医療機器で詳細なデータもなしに、あらゆる可能性を探り緊急性の有無を判断し、経過を追うことが求められるので、応募者にその能力が備わっているかどうかを判断するための一つの目安としていると考えられます。
特別な資格が必要ないからといって、看護師なら誰でもツアーナースのお仕事ができるわけではありません。何よりも求められるのは旅行者との信頼を築き上げるコミュニケーション能力です。特に修学旅行は生徒にとって一番楽しみにしている学校行事ですので、楽しい思い出を残してもらうためにも、怪我や病気を未然に防いであげることが大切です。そのためには、ツアーナースは積極的に生徒に声を掛けて、ちょっと体調の変化を汲み取ってあげることが求めれるのです。
思春期の年頃の生徒になると、気を遣わせまいとして体調がおかしくても黙っていたり、反抗期から先生や旅行会社の添乗員、そしてツアーナースにも冷たい態度をとってくることも少なくありません。
そんな彼らに対して、ツアーナースが宿泊先にある保健室で受け身の姿勢で待っているのでは、生徒達の十分な健康管理はとてもできません。例えば、旅行先の名所や歴史などを事前に調べて、生徒達に教えてあげたりなどして、こちらから自分から壁を取り払うことで、相手からも話しかけてもらいやすくする、そのようにコミュニケーションを図る姿勢が、ツアーナースには求められるのです。
もちろん、思春期の生徒なので、「あー、あのオバハンなんか言ってるよ」と無視されることもありますが(苦笑)、そんなことで一喜一憂しない精神力も必要です。