四国霊場第三十七番札所・岩本寺の山門に店を構える和菓子店、松鶴堂(しょうかくどう)。
ここの和菓子は、弘法大師に纏わる岩本寺の七不思議にある中の、「三度栗」や「桜貝」、また興津(おきつ)の名所「小室の浜」から由来しているものが多い。
京都での修業を経た三代目、松岡幹幸(まつおかもとゆき)さんは、そんな歴史や云われのある和菓子造りを先代から引継ぎ、大切にしている。
そして、四季折々の味と雰囲気が味わえる和菓子店を今後も残していきたい、と語る。
今日も松鶴堂を訪れる色々な方と店の前で楽しげに接客する、社交的な松岡さん。
以前からの趣味である旅行を通して、広い視野を持ち自分に活かそうと、スペイン語を主に独学で学び、ヨーロッパを中心に三十数カ国を歩いてきた。
現地では見ず知らずの人と交流を持つのが好きだという。
「trabajar poco vivir bien(必要に応じてより良く生きる)」―こう解釈するスペイン語が、松岡さんの一番好きな言葉だ。
「目的の場所を決めていても、結局は至るべき場所に自然と呼ばれていた。仕事も仕事以外も、どんなことがあっても対応出来る力を身に付けたい」…
流れに逆らわず自然体で生きることを、松岡さんはいつも実感している。
秋に向かう季節に松岡さんは、有名な山頭火(さんとうか)の詠を教えてくれた。
「秋風、行きたい方へ行けるところまで」。
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